介護業界の人手不足が叫ばれる昨今。
利用者様により良いサービスをお届けするためには、
DX化によってサービス自体と職員の業務効率を改善できるかが課題でした。
ホワイトボードを電子化したいと導入したMAXHUBは一日を通して活躍しており、
もはや一人の職員のように頼っています。
現在、職員は20名ほど在籍しているのですが、1日に勤務しているスタッフは9名ほどです。
年齢層も20代前半から70代までと幅が広く、雇用形態も様々です。
それに対して、施設の利用者様の定員は23名。
利用者様は耳が聞こえにくかったり、目が見えにくかったり、一人ひとりの状態が異なります。
出勤している職員は特定の利用者様に付きっきりという訳にいかず、
業務に追われてしまうと、ホスピタリティが行き届かない状況になりかねません。
利用者様により良いサービスをお届けできるよう、
DX化によってサービス自体と職員の業務効率を改善できるかが課題でした。
一方で職員の中には電子機器を入れることに抵抗がある方もいます。
以前までは、利用者様の施設内での生活や出来事を紙で記録していました。
それをある時にタブレットで電子化したものの、やはりとっつきにくい方もいて、
追加で音声入力ができるソフトを導入しても、浸透するまでに2年かかりました。
そういった過去もあるので、次から次に新しいものを入れていくと、職員からは
「慣れたやり方の方が仕事しやすいのに、何やっているんだろう?」と拒絶反応が出てしまいかねません。
どの世代の職員でも、自然と使い方が浸透できるような製品であることが必要でした。
利用者様へのサービスや職員の業務効率を改善するために、日々の業務を見直しました。
そこで目を付けたのが、利用者様のレクリエーションや業務に使っていたホワイトボードです。
本体が大きく、使うたびに収納場所から出してくることや、
前回書いたものが消えていなかったらそれを消してから使うことが手間でした。
また、一回消してしまうと「本当は前回の内容を今日も話したかった」
という場合は、もう一度書き直す必要がありました。
そういった手間をどう改善しようかと考えたときに、
ホワイトボードを電子化すれば業務効率改善に繋がるのではと思い至ったのです。
そして、繋がりのあった販売店に相談をし、
MAXHUB「All in One Meeting Board」(以下MAXHUB)のデモを行っていただきました。
その際、職員も十数人参加したのですが、
「書きやすい!」「ホワイトボードと同じように書ける!」といった声が上がったのです。
これなら早く職員が使えるようになり、日々の中に浸透できるのではと感じ、導入に至りました。
MAXHUBは今や、日々の介護サービスに溶け込み、役立っています。
まず、職員も利用者様も参加する朝の会にて、MAXHUBのホワイトボード機能で
「今日は〇〇の日」や「今日の昼食のメニュー」を表示します。
「今日は○○の日」に対しては、職員が深堀りをして利用者様にお話をします。
しかし、その場で職員が詳細に話せるわけではありません。
そこで、MAXHUBにてインターネット検索をしたページを表示して読み上げています。
これまでは職員が事前に調べて、ホワイトボードへまとめていましたが、その必要がなくなりました。
朝の会の後には、MAXHUBで動画を投影しラジオ体操を行います。
以前は利用者様の前に職員が立って、一緒にラジオ体操を行っていましたが、その必要もなくなりました。
ラジオ体操の後はレクリエーションを行います。
利用者様同士で競うような内容のものが多く、点数を集計する際にもMAXHUBのホワイトボード機能を活用しています。
昼食前には、よりおいしく召し上がっていただくために、口腔内の体操を行うのですが、
こちらもMAXHUBで動画を投影しています。
食事中は集中していただくために何も映しませんが、食後の休憩時間にはニュースや映画などを映します。
利用者様はMAXHUBの周りに集まり、映像をお楽しみいただいているようです。
午後は制作物を作っていただくことが多いためMAXHUBは使わないこともありますが、
月に一度看護師の方をお招きして、利用者様向けにMAXHUBを使った講義を行っていただいています。
帰りの時間が近づくと、もう一度体操の時間があるので、ここでもMAXHUBで動画を投影しています。
このように一日を通してMAXHUBを活用しており、もはやあるのが当たり前に感じるほどです。
MAXHUBに動画を投影し体操をする様子
看護師の方がMAXHUBで資料を投影し講義をする様子
MAXHUBは実際に触ってみると非常に簡単に使えます。
しかし、職員の年齢層によっても電子機器への慣れやすさは異なります。
そこで、まずは全員に、MAXHUBの“この機能だけ使えたらいい”という部分を徹底して教え込みました。
それ以外のプラスアルファの部分は、全員ができる状態を望まずにできない人がいてもいい、という考えのもと運用しています。
“この機能だけ使えたらいい”という機能は「YouTubeを表示させる」、「ホワイトボードを表示させる」の2種類です。
その使い方を職員へ共有して、今では全員が使えるようになりました。
その結果、利用者様が体操を行う際に動画を映すことで、
職員は前で体操をしなくてよくなった分、利用者様を俯瞰的に見られるようになりました。
利用者様の前に職員が立って体操を行う場合、その職員は介助にあたることができなくなります。
お手洗いに行きたい方がいらっしゃっても、前に立った職員は介助できません。
また、もし転倒したり体調に異変があったりした場合に、即座に対応ができません。
そういった際にMAXHUBで体操を映せば、これまで前に立っていた職員が俯瞰的に、
利用者様の様子を見ながら、何かあれば介助にあたることができます。
MAXHUBの導入はサービスの向上だけでなく、こういったリスク管理にも役立っています。
人の手助けのために導入したのですが、もはや一人の職員のように働いてくれています。
人前で話すのが苦手な職員もいますが、MAXHUBに資料や映像を投影することで
以前より話しやすくなっているのではと感じています。
他にはホワイトボード機能で手書きの文字を補正する技術(OCR技術)もサービスに役立っています。
手書きの癖を気にせず誰が書いても同じように補正してくれるので、
利用者様にとっても分かりやすいのではないでしょうか。
レクリエーションでの点数の集計時には、
「適当な走り書きでもMAXHUBが読み取ってくれるので助かる」という職員の声もありました。
このように、MAXHUBは職員と利用者様の
コミュニケーションを補助するツールとしても大変役立っています。
体操を行う際に動画を映したことで浮いた人員を介助に回せました。
このように、必ずしも職員が担当しなくても良い部分を改善して、他の業務に回す、ということができてこそ
MAXHUBを導入した意味があると思いますが、まだまだ落とし込めていません。
利用者様へのサービスの形は良くなったので、継続をしつつ、
次は職員側の使い方をもう少し明確にしていきたいですね。
あとはMAXHUBをより広い業務で一職員として使いこなし、独り立ちさせられたらと考えています。
MAXHUBが中心となって、朝の会・食事のメニューの説明・体操など午前中の活動をできるようになれば、
職員の配置も変化が生まれてくるのではないでしょうか。
また、新しく当施設を利用されたい方の元へ、パンフレットをお持ちして紹介することがありますが、
やはりそれだけでは実際のイメージを伝えきれない部分があります。
今後はタブレットとMAXHUBを繋ぐことで、ご来訪いただかずともリアルな施設の雰囲気がお伝えできたらと考えています。
介護業界はどこも人手不足が叫ばれていますが、まだまだセミアナログ・セミデジタルの様な業界です。
人手不足解消のために事業所はDX化を進めたくても、
実際に利用者様のことを考えていくとうまく回らない部分が多いと感じています。
業界自体にMAXHUBのような製品が浸透すれば、うまくいくことも増えていくのではないでしょうか。
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