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2025年12月22日
「久しぶりに出社したのに、結局一日中自席でWEB会議をしている…」
「社員の不満を解消し、意味のある出社を実現したい」
そう考える総務・ファシリティ担当者や経営層の方こそ、今がオフィスのあり方を見直すチャンスです。
単なる「場所」の提供から、生産性を高める環境へのアップデートが求められています。
せっかく出社しても、このような「出社損」を社員に感じさせていませんか?
無理に出社を求めれば、社員のエンゲージメント低下や離職を招く恐れがあります。
かといって、従来の「会議室不足」といった課題を放置したままでは、社員に出社する価値を感じてもらうことも難しいでしょう。
でも、ご安心ください。
この記事では、人が自然と集まりたくなるハドルスペースの作り方と、会議の生産性を高める会議DXツールの活用法を紹介します。

近年、リモートワークから「オフィス回帰」へと舵を切る企業が急増しています。しかし、単に以前の働き方に戻すだけでは、社員の理解は得られません。
ここでは、企業が出社を求める3つの理由と、そこで生まれている新たな課題について解説します。現状の正しい理解と快適なオフィス作りが、重要です。
「オフィス回帰」とは、コロナ禍で普及したリモートワーク中心の働き方から、再びオフィスへの出社を重視するスタイルへ戻す動きです。
2025年現在、AmazonやGoogleといった巨大テック企業を筆頭に、
国内外の多くの企業が「週3日以上の出社」を求めるなど、対面業務の価値を見直す動きが加速しています。
これは昔の働き方に戻すのではなく、リモートの利便性を保ちながら対面の価値を取り戻すための取り組みとも言えるでしょう。
企業がオフィス回帰を進める背景には、以下の3つの理由が挙げられます。
・対面コミュニケーションによるアイデア創出やイノベーションの促進
・チームの結束力・帰属意識の強化
・人材育成やOJTの効率化
ひとつずつ見ていきましょう。
企業が出社を求める最大の理由は、対面ならではの「化学反応」に期待しているからです。
対面には以下のメリットがあります。
・偶発的なアイデアの創出:会議前後の雑談から新しい発想が生まれやすい
・熱量の共有:身振り手振りや空気感により、議論が活性化する
・スピード感:ホワイトボードを囲んで、その場で即座にイメージを共有できる
このような理由から、オフィス回帰が推進されています。
一方で、会議の内容によっては、効率を重視したWEB会議の実施と、それをより生産性高く実施するための会議DXの推進も重要です。
出社かリモートかの二者択一ではなく、両者の良いとこ取りをする「ハイブリッドワーク」は、2026年以降、より一般的な働き方としてさらに定着・拡大していくでしょう。
顔を合わせて話すことは、チームの心理的距離を縮めるために欠かせません。
画面越しのやり取りだけでは、相手の細かい感情の機微や、今のコンディションまでは読み取れません。
オフィスで「元気?」「最近どう?」といった何気ない会話を交わすことが、信頼関係の土台を作ります。
こうした日々の積み重ねが「このチームで頑張りたい」という帰属意識を高め、チームの結束力や帰属意識の強化につながります。
特に若手社員の育成において、対面環境は強力な武器です。
OJT(実務を通じた教育)では、上司が部下の働きぶりを横で見て、
「今の電話対応、すごく良かったよ」「ここはこう直した方が伝わりやすいね」と、その場で具体的なフィードバックができます。
オンラインでは見えづらい「仕事に取り組む姿勢」や「小さな悩み」もキャッチでき、
個々の課題に合わせてきめ細かく指導できるため、若手社員の成長スピードの向上に寄与します。
しかし、オフィス回帰はメリットばかりではありません。
「通勤のストレス」や「働き方の自由度の低下」といった心理的な反発ももちろんありますが、
それ以上に深刻なのが、「出社してもまともに仕事ができる場所がない」という物理的な環境のミスマッチです。
多くの企業で、オフィス回帰の目的である「コミュニケーションの活性化」を阻害する、深刻な物理的環境のミスマッチが発生しています。
最も深刻なのが「会議室不足」です。全社員が出社していた以前とは異なり、現在は取引先や他拠点のメンバーとの会議のほとんどがオンラインで行われています。
そのため、「1人で参加するWEB会議」や「2〜3人の少人数でのハイブリッド会議」が頻発し、
本来は大勢で使うべき会議室までもが、少人数の利用により埋まりがちな状況になっているのです。
その結果、以下のような「会議室難民」が増えています。
・会議室の予約争奪戦に疲弊し、本来の業務に集中できない
・会議室が空いておらず、自席で小声でWEB会議に参加せざるを得ない
・周囲の話し声がマイクに入り込み、商談や打ち合わせの質が下がる
これでは、せっかく出社してもストレスが溜まるだけで、在宅勤務の方が生産性が高いと感じる出社損を招くのも無理はありません。
精神論で出社を促しても、この物理的な問題を解決しない限り、オフィス回帰による「イノベーション」や「チームビルディング」は実現できません。
そこでここからは、この「会議室不足」と「WEB会議環境」の課題をスマートに解決する具体的な手段として、
ハドルスペースと会議DXツールの活用について詳しく解説します。

「会議室不足」を解消する切り札として注目されているのが「ハドルスペース」です。ハドル(Huddle)とは、アメフトの試合中に行われる「短い作戦会議」のこと。
転じてオフィスでは、予約なしで集まって短時間でサッと打ち合わせができる「オープンなミーティングスペース」を指します。
近年では対面での会話だけでなく、外部や他拠点をつなぐ「WEB会議の場」として活用されるケースも急増しています。
これまで会議室で行っていた「少人数のWEB会議」もハドルスペースで行うようにすれば、会議室の予約争奪戦の緩和につながります。
ここでは、従来の会議室とは異なる3つのメリットを解説します。
| 比較項目 | 従来の会議室 | ハドルスペース |
| 予約 | 必要(調整の手間あり) | 原則不要(すぐに開始) |
| 空間 | 閉鎖的(ドア・壁あり) | 開放的(オープン) |
| コスト | 高い(内装工事が必要) | 安い(家具・機器のみ) |
| 主な用途 | 機密会議、定例報告会 | アイデア出し、相談、雑談 |
従来の会議室は、予約システムを確認し、空き時間を調整する手間が必要でした。
しかしハドルスペースは原則「予約不要」です。「ちょっと相談いいですか?」と声をかけ、その足でスペースに移動してすぐに議論を始められます。
このスピード感こそが最大の特徴であり、業務のボトルネックを解消し、プロジェクトの意思決定の加速に寄与します。
思いついた瞬間に集まれる環境が、ビジネスのスピードを保つ助けになります。
ハドルスペースは、壁やドアで完全に仕切らず、パーティションや家具で緩やかに区切られたオープンな設計が一般的です。
閉鎖的な会議室とは異なり、開放的でリラックスした雰囲気の中で話せるため、自由な発想や意見が出やすくなります。
また、通りがかった上司や同僚が「何の話?」と会話に参加するなど、偶発的なコミュニケーションの発生も大きなメリットです。
この「風通しの良さ」が、組織の活性化につながります。
経営的な視点で見ると、「導入コストの低さ」は大きな魅力です。
会議室を増やすには、防音壁を立てるなどの大掛かりな「内装工事」が必要で、多額の費用と時間がかかります。
一方、ハドルスペースは、オフィスの空きスペースにファミレス席のような家具やモニターを配置するだけで完成します。
「余った予算はどう活用すればいいの?」
このような疑問を持つ方もいるかもしれません。
その場合はただ節約で終わらせるのではなく、高機能なマイクや電子黒板などの「会議DXツール」への投資に回し、
賢くWEB会議の環境も整えることをおすすめします。
ただハドルスペースを整備するだけではなく、会議DXによるWEB会議環境の効率化が、ビジネスの成長につながるのです。

ハイブリッドワーク時代において、机や従来のホワイトボード等を設置した、ただの「物理的な場所」を用意するだけでは機能しません。
よくある失敗パターンは次の通りです。
・WEB会議に必要な環境が整っていない
・リモート側に伝わりづらい
・リモート側はホワイトボードの文字が見えない
これらの結果、リモート参加者が「置いてきぼり」になり、会議の質の低下を招いてしまいます。
失敗する最大の原因は、WEB会議をするための環境がおろそかになっていることです。
机と椅子だけあっても、電源がない、モニターがないとなれば、結局ノートPCの小さな画面を覗き込む形になり、生産性は上がりません。
特に複数人が集まるハドルスペースでは、全員の顔や資料を映し出す大型モニターや、広範囲の音を拾うマイクなどが必須インフラです。
「集まれる」だけでなく「つながれる」環境の構築が必要です。
「その場のメンバー」だけで完結するなら良いですが、リモート参加者がいる場合は要注意です。
オープンスペースでは周囲の雑音が入るため、PC内蔵のマイクではリモート側に声が届きにくいのです。
手書きのホワイトボードを使っても、カメラ越しでは文字が小さくて読めません。これではリモート参加者は議論の内容がつかめず、置き去りになってしまいます。
情報の非対称性によるチームの分断が、大きなリスクとなります。
ハドルスペースでのWEB会議環境の不備は、リモート参加者に強い「疎外感」を与えることがあります。
「何の話をしているか聞こえない」「資料が見えない」状態が続くと、発言する意欲が失われ、ただ聞いているだけの「お客様」になってしまいます。
これではチームの一体感は損なわれ、せっかくの会議も質が下がります。ハドルスペースを成功させる鍵は、物理空間とWEB会議環境のセットでの整備にあります。

ハドルスペースの弱点である「音の問題」や「情報共有の難しさ」を解決し、快適なハイブリッドワークを実現するのが、MAXHUB製品などの最新会議DXツールです。
ここでは、用途や予算に合わせて選べる3つのおすすめのツールをご紹介します。これらを導入すれば、オープンスペースでの質の高い会議が可能です。
MAXHUB「All in One Meeting Board」は、
カメラ・マイク・スピーカー・Windows OS・ホワイトボード機能が一体となった「電子黒板(インタラクティブホワイトボード)」の最新モデルです。
最大の特徴は、オープンスペースでの利用に特化した音声技術です。
集音角度を調整でき、さらにAIノイズキャンセリング機能が周囲の雑音やキーボード音をカットして、発言者の声だけをクリアに届けます。
画面に書き込んだ内容はリアルタイムでリモート側にも共有され、双方向で書き込みが可能。同じ部屋にいるかのような一体感の醸成に貢献します。
WEB会議での音漏れを防止するためには、WEB会議用音声コミュニケーションツール「TALKHUBⅡ」を併用するのもおすすめです。
V7シリーズほどの多機能さは不要で、コストを抑えて導入したいという企業におすすめなのがMAXHUB「Cross Board U40シリーズ」です。
OSにAndroid OSを採用することでコストパフォーマンスを高めつつ、
ハドルスペースに必要な基本機能(WEB会議、ワイヤレス画面共有、ホワイトボード機能)をしっかり網羅しています。
「まずは数カ所に導入して試してみたい」「予算内で台数を揃えたい」という場合のスモールスタートに最適なモデルです。
Microsoft Teams Rooms(MTR)を利用している企業向けのWEB会議専用ツールです。
ハドルスペースの広さや用途に合わせて、最適なカメラ、マイク、スピーカーを自由に組み合わせられます。
「いつものTeams会議」を、ワンタッチで高品質に開始できるため、操作に迷わずWEB会議を始められます。
PCを持参しなくても、すぐにWEB会議に参加できる利便性が魅力です。
ハイブリッド会議を低価格でレベルアップするMAXHUB「MTRシリーズ」については、こちらの記事で解説しています。
Microsoft Teams Rooms・Zoom Rooms徹底解説!テレビ会議システムを更新し効果的なハイブリッド会議を

ハドルスペースの導入を検討する際、多くの企業担当者が気にするポイントがあります。
ここでは、特に質問が多い「音漏れ・セキュリティ」「社員のITリテラシー」「導入コスト」の3点について、具体的な解決策とともにお答えします。
導入前の不安の解消が、プロジェクトをスムーズに進める鍵となります。
オープンスペースである以上、音漏れのリスクはゼロではありません。
そのため、人事評価や機密情報を扱う会議は、従来のクローズドな会議室で行うという「使い分け」が重要です。
ハドルスペースの近くに「サウンドマスキングシステム」を導入することで、会話の内容を聞き取られにくくする対策が、近年多くのオフィスで採用されています。
WEB会議用音声コミュニケーションツールの導入も検討してみてください。
TALKHUBⅡについて詳しく見る
ご安心ください。最近のツールは「スマホのような直感的な操作」を重視して設計されています。
例えば、MAXHUB「All in One Meeting Board」なら、電源を入れてペンを持つだけで、すぐに従来のホワイトボードと同じように書き始められます。
保存もQRコードを読み取るだけです。複雑な設定は不要で、導入後すぐに誰でも使いこなせるよう、保守サポートや操作ガイドの充実も魅力のひとつです。
ハドルスペースの最大のメリットは、壁を作る「内装工事費」がかからないことです。従来の会議室増設に比べれば、トータルのコストは大幅に抑えられます。
重要なのは、工事費で余った予算を「ただの家具」ではなく、
ハイブリッド会議にも対応できるよう、電子黒板や高性能マイクといった「会議DXツール」への投資に回すことです。
場所は安く作り機能にお金をかけることが、コストを抑えつつ質の高いハイブリッドワーク環境を実現するコツです。

オフィス回帰による会議室不足を解消し、スピーディな意思決定を促す「ハドルスペース」は、これからのオフィスの標準装備となるでしょう。
オフィス回帰を成功させるには、単に「出社義務」を課すのではなく、社員が「出社した方が仕事が捗る」と感じられる環境を用意することが不可欠です。
そこに適切なWEB会議環境がなく、ハイブリッド会議に対応できなければ、リモート参加者を置き去りにし、生産性を下げてしまいかねません。
内装工事費を削減できるハドルスペースだからこそ、その余った予算を電子黒板などの会議DXツールへの投資に活用してください。
快適な映像と音声、そして自由な情報共有ができる環境さえあれば、
オフィス回帰によるトラブルを減らし、円滑なコミュニケーションによるアイデア創出やイノベーションが促進される場所へと進化していくはずです。