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2025年06月25日
近年、教育現場でのICT化が進むなか、「電子黒板」を導入する学校が増えてきています
実際に、普通教室の大型提示装置(電子黒板をはじめ、モニターやプロジェクターなど)の整備率は89.6%に達しています(令和6年3月1日時点)*。
とはいえ、「学校に電子黒板を導入すると、本当に授業は変わるの?」「どのようなメリットや効果があるの?」
「導入する場合、どのようなポイントで選んだらよいの?」など、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、電子黒板の基本から、学校におけるメリット・デメリット、導入する際の選び方、成功事例まで詳しく解説します。
授業運営や教員の負担に課題を感じている学校関係者の方は必見です。
* 出典:文部科学省「令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)(令和6年3月1日現在)」
電子黒板とは、デジタル技術を用いて情報を視覚的に表示することができる大型ディスプレイのことです。
画面に文字やイラストを直接書き込めるほか、PCなどのデジタル端末と接続することで、画像や動画の表示もできます。
従来の黒板やホワイトボードとは異なり、デジタルの特性を活かした多様な表現が可能です。
現在では、授業や会議など様々なシーンで活用されています。
電子黒板にはさまざま種類がありますが、学校で導入されているのは次の3種類です。
タッチディスプレイ型は、タッチパネル機能が搭載されています。
スマートフォンやタブレットがそのまま大きくなったようなイメージで、指やペンで直接操作することができます。
教室を暗くせずとも明るく鮮明な画像や映像を提供できるため、視覚的な教材利用に最適です。
プロジェクター型は、映像やデータをスクリーンに投影することができます。既存の黒板やホワイトボードと併用するケースが多いです。
教室のレイアウトを変更せずに導入できるメリットがあります。
ユニット型は、既存のプロジェクターや液晶ディスプレイに後付けする形で、電子黒板機能を追加します。
初期費用を大幅に抑えられるため、電子黒板が気になっている方が試しやすいものとなっています。
電子黒板には、主に次のような機能が搭載されています。
商品によっては、投票機能やクイズ機能、付せん(メモ)機能など、生徒が参加できるインタラクティブな機能が搭載されています。
電子黒板、ホワイトボード、プロジェクターの違いは、以下の通りです。
電子黒板 | ホワイトボード | プロジェクター | |
形式 | デジタル(表示&操作) | アナログ(手書き) | デジタル(表示) |
入力方法 | タッチ、専用ペン | マーカー | PCなどから入力 |
設置方法 | スタンド or 壁掛け | 壁掛け | 本体+スクリーン |
起動 | はやい | はやい | 遅い |
双方向性 | 高い | 低い | 低い |
データ保存 | 可能 | 不可(写真撮影は可能) | 不可 |
コスト | 高 | 低 | 中 |
視認性 | 明るい場所でも高い | 光の影響を受けやすい | 暗い場所で高い |
これらの相違をよく理解し、目的に沿った最適なツールを選択しましょう。
従来の黒板やホワイトボードとは異なり、デジタル技術を駆使した電子黒板は、学校現場に多くの革新をもたらします。
たとえば、次のような効果・メリットが期待できます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
電子黒板では、インタラクティブな授業展開が可能です。
たとえば、以下の通りです。
従来の授業のように、児童や生徒は一方的に聞き続けているだけではありません。
電子黒板の機能によって、児童や生徒は能動的に授業に参加できるようになります。
これにより、児童や生徒の興味関心を引き出すだけでなく、学習意欲の向上が期待できます。
電子黒板を導入することによって、授業の質の向上が期待できます。
画像や映像の投影だけでなく、書き込みなどの視覚的な情報を共有することが可能です。
特に映像投影や資料提示の多い理科、図形やグラフを多用する算数・数学などの授業では、大型ディスプレイが活躍すること間違いありません。
視覚的情報と聴覚的情報の組み合わせにより、授業への集中度と理解が格段に高まるでしょう。
また、照明を消したり調整したりする必要がないため、児童や生徒が眠くなりにくいメリットもあります。
デジタルネイティブ世代に適応したツールともいえるでしょう。
多忙な教員にとって、電子黒板は大きな助けになります。
従来の板書作業と比べると、書き込みや消去がスムーズに行えるため、時間と労力を大幅に削減できます。
また、電子黒板は教材を再利用できる利点があります。
そのため、ペーパーレス化を実現できるだけでなく、教材作成の負担軽減に繋がります。
電子黒板は教育現場に多くのメリットをもたらしますが、もちろん導入には考慮すべきデメリットや課題も存在します。
たとえば、以下の通りです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
もちろんサイズによって異なりますが、基本的に電子黒板の導入には高額な初期費用が発生します。
本体価格のみならず、設置工事費、必要なソフトウェアライセンス費用なども含まれます。
また、維持費やメンテナンス費用などのランニングコストも考慮することが必要です。
そのため、アナログな黒板やホワイトボードに比べると、導入コストは上がっているでしょう。
予算が限られている学校にとっては、これらのコストが大きな負担となる可能性があります。
電子黒板は、そのサイズから設置スペースの確保が必須です。
教室の広さやレイアウトによっては、改修工事が必要になるケースもあります。
また、電子黒板を教室で常用しない場合には、置き場所や収納場所をどうするかなどの検討も必要です。
電子黒板は精密機器であるため、故障や不具合が発生するリスクを抱えています。
タッチパネルの不具合、システムエラー、プロジェクターのランプ切れなど、様々な問題があり得るでしょう。
もしこれらのトラブルが発生した場合、授業の進行に支障をきたす可能性があります。
修理が必要な場合、時間と費用がかかることもありますので、導入前には信頼できるメーカーのサポート体制や保守契約の有無を確認しておきましょう。
また、トラブル時の対応方法などを事前に検討しておくことも重要です。
電子黒板を最大限に活用するためには、教員のICTリテラシーが不可欠です。
機器の基本的な操作方法から、授業での効果的な活用方法、トラブル時の対処法まで、教員が理解しておくべき項目は多岐にわたります。
研修機会が十分に提供されないと、教員は電子黒板を使いこなせず、導入効果が十分に発揮されない可能性があるでしょう。
メーカーによる導入後の研修プログラム、教員向けの活用事例共有会の実施を検討することをおすすめします。
電子黒板の導入を成功させるためには、デメリットを理解したうえで、導入目的や学校の状況に適した商品を選ぶことが重要です。
ここでは、導入を検討する際に押さえておくべき3つの選び方を解説します。
電子黒板を選定するうえで最も肝要なのが、設置スペースとディスプレイサイズのマッチングです。
導入を検討している教室の広さ、壁面の空きスペース、座席配置などを考慮して、最適な電子黒板を選びましょう。
教室の後ろの席から見ても見やすいサイズのものを選ぶことが重要です。
電子黒板を選定する際のポイントとして、使いやすさや操作性が挙げられます。
直感的に操作できるものか、操作手順は煩雑ではないか、簡単に電源や接続化できるかなどを確認しましょう。
実際に購入する前に、教員が触れてみて、操作感に問題がないか確認することをおすすめします。
また、既存のPCやタブレットとの連携性も確認しておくと、より一層利便性が向上するでしょう。
予算とランニングコストも、電子黒板を導入するうえでのポイントの一つです。
その際、導入後の電気代、メンテナンス費用、サポート体制や保証期間、補助金制度の有無などを確認し、長期的な視点から費用対効果を検討しましょう。
単に安価な商品を選ぶのではなく、総合的にコストパフォーマンスの高い商品を選ぶのが賢明な判断といえます。
それでは実際に電子黒板を導入した学校では、どのような効果が見られるのでしょうか。
ここからは、電子黒板を導入した学校の成功事例を紹介します。
信州大学教育学部附属長野小学校では、以前から電子黒板を一部導入していましたが、
台数を増やしたい、全クラスに導入したいという先生たちからの要望で、よりよい電子黒板を探していました。
そこで販売店に紹介してもらい、MAXHUB「All in One Meeting Board」を導入することにしました。
一番の決め手は、Windows OSが搭載されていることでした。
というのも、さまざまなデバイスにモニターを繋ぐ必要がなく、簡単に授業を始められるからだそうです。
MAXHUB「All in One Meeting Board」を導入する以前は、写真を印刷する必要がありましたが、現在では直接画面に表示ができ、手間を減らすことができました。
また、児童に一人一台端末がある環境下で、MAXHUB「All in One Meeting Board」との連携もうまくいっています。
児童が簡単に自分のChromebookの画面共有をすることができ、とても便利に感じています。
参照:信州大学教育学部附属長野小学校様
玉川聖学院では、以前はアナログの黒板を使用していたため、図形やグラフなどの描き直しができなかったり、
細部が見えづらかったりするなどの課題がありました。
そこでその課題を解決するために、現在ではあらゆる授業にMAXHUB 「All in One Meeting Board」を取り入れています。
書きやすい点やQRコードでのデータ共有が可能なことから、教員は長時間書き続けても疲れないこと、1.3倍ほどの情報量の増加を実感しているそうです。
参照:玉川聖学院様
国書日本語学校では、以前からプロジェクターを導入していましたが、映像が鮮明でなかったり、文字が認識しにくいなどの課題を感じていました。
また、授業準備やトラブル対応が属人化しているという課題感もあったそうです。
そこでMAXHUB「All in One Meeting Board」を導入することによって、コロナ禍でもハイブリッド授業をスムーズに実施することができ、学校を存続させることができました。
さらに、投影された資料が鮮明になり、文字を認識しやすくなったことから、学生たちが前を向いて授業に参加する時間が長くなったそうです。
参照:国書日本語学校様
学校の電子黒板に対して疑問に思っていることもあるのではないでしょうか。
ここからは、そうした学校の電子黒板に関する疑問にお答えします。
電子黒板の寿命は、一般的に5年程度といわれています。
ただし、同じ商品であっても、使用頻度や使用環境によって異なってくるでしょう。
出典:令和5年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)(令和6年3月1日現在)
文部科学省の調査結果によると、普通教室の大型提示装置(電子黒板をはじめ、モニターやプロジェクターなど)の整備率は、
令和6年3月1日時点で89.6%に達しています。
今後は、GIGAスクール構想の推進により、90%に到達すると予想されます。
商品や教員のICTリテラシーによって異なりますが、基本的な操作方法の習得には数時間~半日程度の研修が目安となるでしょう。
ただし、機能を最大限に理解して授業に落とし込むためには、継続的に研修や勉強会、情報共有の場を設けることが求められます。
また導入初期には、特定の教科での活用法、応用機能の習得に向けたフォローアップ研修、
教員間での情報共有会などを定期的に開催することが、効果的な活用に繋がります。
電子黒板の導入に利用できる補助金や助成金には、いくつか種類があります。
実施内容や期限は変更される可能性があります。補助金の最新情報は、各制度の公式サイトからご確認ください。
この記事では、学校における電子黒板のメリット・デメリット、選び方、成功事例などを解説しました。
電子黒板は、教員の負担を軽減するだけでなく、授業運営を大きく変える強力なツールです。
この記事を参考に、ぜひ貴校に最適な電子黒板を選んでみてください。
なお、学校に電子黒板の導入を検討されているなら、「All in One Meeting Board V7シリーズ」と
「Class Board U30シリーズ」を検討されてみてはいかがでしょうか?
「All in One Meeting Board V7シリーズ」はWindows OSを搭載したオールインワン型のインタラクティブホワイトボードです。
Windows対応のアプリをインストールできるため、これ1台でオンライン授業や交流会の実施が可能で、特別教室や職員室など、
さまざまなニーズに対応できる高い汎用性を備えています。
グループワークに最適な付せん(メモ)機能が搭載され、児童や生徒のアイディア出し、授業の理解度の確認などが可能です。
「Class Board U30シリーズ」は、学校向けに特化したインタラクティブホワイトボードです。
Google EDLA認証を取得したAndroid OSが搭載され、Googleプレイストアから学習に使えるアプリを取得できます。
また、定規や分度器、手書き文字の検索など、充実したホワイトボード機能を備えており、日常の授業で活躍します。
いずれの商品も学校の先生の業務効率を向上させ、児童・生徒の学びを促進させます。詳細については、ぜひお問い合わせください。
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