【2025年最新】DXで使える補助金・助成金一覧！申請のポイントも解説

「人手不足が深刻だ」「もっと生産性を上げたい」こうした経営課題を解決する切り札としてDXが注目されていますが、「IT化にはコストがかかる」と悩む経営者も多いです。

そのDX推進のハードルを下げるため、国や自治体は多くの「補助金・助成金」を用意しています。
しかし、種類が多すぎて「自社に合うDX補助金が分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。

補助金は、単なるコスト削減策ではありません。人手不足や生産性の低下といった課題を解決し、事業を次のステージへ進める「きっかけ」です。

この記事では、2025年の最新情報をもとに、中小企業がDXに活用できる主要な補助金・助成金の内容と、申請で失敗しないためのポイントを分かりやすく解説します。

結論から言えば、中小企業こそDX推進のために補助金・助成金を積極的に活用すべきです。

多くの中小企業が人手不足や低い生産性といった課題を抱えており、DXがその有効な解決策になるからです。
しかし、IT化の初期コストが障壁となり、第一歩を踏み出せないケースが多いです。

補助金・助成金は、まさにその障壁を取り除くために存在します。
まずは、なぜ今、中小企業にDXが必要なのか、その理由から見ていきましょう。

中小企業にとって、DXは単なる業務改善ではなく、競争力を保ち、社会の変化の中で生き残るために欠かせない取り組みです。

社会全体のデジタル化が急速に進む中、多くの中小企業は「人手不足」「業務の属人化」「非効率なデータ管理」といった特有の課題を抱えています。
DXは、これらの課題を解決する最も有効な手段です。

例えば、これまで特定の社員しか対応できなかった作業（属人化）も、システムを導入すれば標準化できます。
バラバラに管理されていた顧客情報や売上データを一元化すれば、データに基づいた迅速な経営判断が可能になります。

このように、業務効率化や生産性の向上は、企業の存続に直結する重要な経営戦略なのです。

多くの場合、DX推進における最大のハードルは、ITツールの導入やシステム構築にかかる「初期投資コスト」です。

このコスト問題を大幅に軽減してくれるのが、国や自治体が提供する補助金・助成金です。
具体的な制度としては「IT導入補助金」「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」など、企業の目的に応じた多様な支援策が用意されています。

これらの補助金は、パソコンやタブレットの購入費、会計ソフトの導入費、クラウドサービスの利用料など、幅広い経費に活用できます。

補助率も高く、制度によっては最大で経費の2/3から3/4が支給されるケースもあり、企業の自己負担を大幅に減らしてDXの実行を強力に後押ししてくれます。

DXに使える支援策を探す際、「補助金」と「助成金」という2つの言葉が出てきますが、これらは似ているようで性質が異なります。

「補助金」は、国や地方自治体が期間を定めて公募し、申請内容を審査して支給先を決定するものです。
定められた要件を満たした上で、事業計画などが審査で優れていると評価された企業が採択されます。
予算や採択数に上限があるため、申請しても必ず受けられるとは限らない「競争的な制度」と言えます。

一方、「助成金」は、定められた要件を満たしていれば、原則として申請すれば受給できるものです。
従業員の労働環境改善や、人材育成の支援などを目的としたものが多く、一般的に審査のある補助金に比べて申請のハードルが低い傾向にあります。

ここからは、DX推進に活用できる主要な補助金・助成金を紹介します。

目的、対象者、補助額は制度によって大きく異なるため、自社が抱える課題によってどの制度が最も合っているかを見極めることが重要です。

2025年時点で特に注目すべき主要な制度をピックアップしました。まずは比較表で全体像をつかみ、その後に各制度の詳細を確認しましょう。

「働き方改革推進支援助成金（団体推進コース）」は、個別の企業ではなく、
中小企業の事業主団体（例：協同組合など）が、その傘下企業の労働条件改善に取り組む際に支給される助成金です。

これは、事業主団体等を支援することを通じて、その先にいる構成事業主の働き方改革（時間外労働の削減や賃上げ）を応援することを目的としています。

成果目標の達成に向けて取り組んだ経費が対象となり、
支給額は、「対象経費の合計額」「総事業費から収入額を控除した額」「上限額500万円」のうち、最も低い額が適用されます。

自社単独ではなく、所属する団体などを通じて勤怠管理システムやテレワークツールを共同導入するといったDXを検討する際に活用できる制度です。

参考：https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000200273.html

「中小企業新事業進出促進補助金」は、中小企業がニッチな新分野や高付加価値な事業に挑戦するのを支援する制度です。

2025年3月に公募が終了した「事業再構築補助金」の実質的な後継制度と目されており、経費の2分の1（通常最大7,000万円、特例適用で最大9,000万円）が補助されます。
中小企業向けの補助金では珍しく、立ち上げ時の広告宣伝費も対象となるのが大きな特徴です。

申請するには、設立から1年以上経過しており、直近16か月以内に「ものづくり補助金」といった他の大型補助金に採択されていないことが基本的な条件となります。
対象となる事業は、世間での認知度が低い「新市場性」があるか、既存品より高品質・高価格な「高付加価値性」があるものに限られます。

ただし、事業計画期間中に付加価値額を年平均4%以上成長させ、さらに賃金目標を達成する必要があり、未達の場合は補助金の返還を求められるため注意が必要です。
申請にはGビズIDプライムのアカウントが必須で、事業計画はコンサルタント等への相談は可能ですが、必ず申請者自身が作成・入力する必要があります。

参考：https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/

「ものづくり補助金」は、革新的な設備投資によって生産性向上を目指す中小企業向けの、最も代表的な補助金の一つです。
※21次公募は2025年10月24日をもって申請が締め切られました。
以下は、今後の公募（22次公募など）を検討する際の参考情報としてご活用ください。

2025年版では申請枠が「製品・サービス高付加価値化枠」（最大2,500万円）と「グローバル枠」（最大3,000万円）の2つに簡素化されました。
また、補助事業で大きな利益が出た場合に補助金を返還する「収益納付」が不要になった点も大きな変更点です。

この補助金では、従業員の賃上げが重視されており、大幅な賃上げを計画すると補助上限額が最大1,000万円上乗せされます。
その一方で、事業計画で約束した給与総額の増加や最低賃金の引き上げ目標が未達の場合は、補助金の返還義務が生じます。

申請には、以下の3つの基本要件を全て満たす事業計画の策定が必須です。

①付加価値額の年平均成長率+3%以上
②給与支給総額の年平均成長率+2.0％以上
③事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上

申請はGビズIDを用いた完全電子申請のみで、一定金額以上の申請では経営者本人が臨む口頭審査があり、
事業計画を自らの言葉で説明できることが求められます。

参考：https://portal.monodukuri-hojo.jp/

「小規模事業者持続化補助金（持続化補助金）」は、従業員5名以下（商業・サービス業）
または20名以下（その他）の小規模事業者が対象で、「販路開拓」の取り組みを支援する補助金です。

ECサイトの構築やWEBサイトのリニューアル、ネット広告の出稿など、小規模なDX投資にも活用しやすいため、多くの事業者に利用されています。
申請には、地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら自社で「経営計画」を策定することが必須条件です。

補助上限額は通常枠で原則50万円（補助率2/3）ですが、賃金引上げやインボイス特例（免税事業者から課税事業者への転換）などを満たすと、
最大で250万円まで補助上限が引き上げられます。

対象経費としては、機械装置等費、広報費、WEBサイト関連費、展示会等出展費など幅広く設定されています。
しかし、単なる備品購入や運転資金は対象外な点には注意しましょう。DXの第一歩として、WEBを活用した販路開拓を目指す事業者に最適な補助金です。

参考：https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r6h/

「教育支援体制整備事業費交付金」は、幼稚園、認定こども園、保育所などに対して、教育環境の整備にかかる費用を補助する制度です。

これは、国が幼児教育の質の向上や子育て支援の強化を目的としており、施設のICT化を強力に後押ししてくれます。

この交付金は、全国の都道府県で実施されている点も特徴です。
例えば、東京都では「とうきょう すくわくプログラム」という名称でICT環境整備の支援が行われています。

参考：https://www.kodomoseisaku.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/suisin-team/nyuyojikinokosodachi/sukuwaku-program

対象経費は、ICT端末や遊具、保健衛生用品などの物品購入費のほか、事務作業を補助する職員の雇用費、教職員の研修参加費なども含まれます。
補助率は原則として国が費用の1/2を負担しますが、令和7年度の予算案は約8億円（前年度は約9億円）で、補正予算によって増額される可能性もあるでしょう。

保育DXを加速させるための電子黒板の導入など、教育現場のICT化を進める上で重要な資金源となる制度です。

※保育DXを加速させる「電子黒板の選び方と導入成功事例」については、以下の記事で詳しく解説しています。
https://nicemobile.jp/news/blog-childcare-01/

参考：https://www.mext.go.jp/content/20210112-mxt-youji-000012039_4.pdf

自社に合ったDX補助金を見つけても、準備不足で申請に失敗しては意味がありません。

補助金の申請は、事前の準備が採択を左右するといっても過言ではありません。
制度は複雑で、要件も毎年変わるため、勢いだけで申請すると失敗しがちです。
「時間をかけて書類を作ったのに、不備で受理されなかった」という事態は絶対に避けましょう。

ここでは、申請前に必ず確認すべき3つの重要なポイントを解説します。

採択への第一歩は、必ず最新の公式な「公募要領」を隅々まで読み込むことです。
補助金の内容は毎年変わるため、昨年の情報や古いネット記事をそのまま信じるのは危険です。

公募要領を熟読し、自社の事業内容や企業規模、解決したい課題が補助金の対象になっているかを最初に確認してください。

どのような経費が補助対象になるか、申請に必要な資格は何か、提出すべき書類は何かを細かくチェックします。
特に、審査で重視される評価項目や、補助される金額の割合（補助率）・上限額も正確に把握しておく必要があります。

一つでも見落としや不備があると申請が受理されないため、漏れなく準備することが採択への絶対条件です。

補助金申請の準備は、締切日から逆算して計画的に進めましょう。
募集期間は限られており、事業計画の作成や書類準備には想像以上の時間がかかります。

特に、多くのDX補助金申請で必要となる「GビズIDプライム」の発行には数週間かかる場合も。募集開始前に取得しておくと安心です。

申請、採択通知、事業の実施、そして完了後の実績報告まで、一連のプロセス全体を理解しておくことも重要です。
審査では事業計画の具体性や実現可能性なども評価されるため、スケジュールに余裕を持ち、段階ごとに必要な準備を漏れなく行いましょう。

DX補助金の申請書は、専門的な技術内容と、説得力のある経営計画の両方が求められるため、作成の難易度が高い傾向があります。

もし自社だけでの作成に不安がある場合は、中小企業診断士、ITコンサルタント、または地域の商工会議所の担当者など、外部の専門家に相談することも有効な手段です。

専門家は補助金の最新情報や審査で評価されやすいポイントに詳しいため、より効果的な申請書を作成できます。
彼らのアドバイスを受けることで、事業計画の質を向上させ、書類の不備といったケアレスミスを防ぐことが可能です。

申請時だけでなく、採択後の事業評価や完了報告書の作成まで、専門家のサポートにより採択の可能性を高められます。

WEB会議システムやテレワーク用ツールの導入は、人手不足や生産性の低さといった課題を直接的に解決するDXの第一歩であり、
本記事で紹介したような様々なDX補助金の対象となります。

例えば、会議をDXして資料をペーパーレス化し、移動時間を減らすだけでも、週に約5時間の業務時間を削減できる効果が期待できます。

コミュニケーションが効率化されれば、会社全体の生産性向上にも直結します。
ここでは、補助金を活用して導入したい、会議のDXに最適なおすすめツールを3つ紹介します。

MAXHUB「XBar」は、会議室のリアルな空気感まで伝えることを目指した、カメラ・マイク・スピーカー一体型のWEB会議用デバイスです。

最大の特徴は、AIが参加者の顔や声を認識し、最適な画角への自動調整、発言者の追跡、さらには周囲の雑音カットまで全て全自動で実行すること。
これにより、誰でも簡単に高品質なWEB会議を開催することが可能です。

上位モデルの「W70 Kit」は、ビデオバーとして世界初となる5000万画素カメラ4基とWindows OS搭載モデル。
ズームしても映像が鮮明で、最大10m離れた場所の声もクリアに拾う高性能マイクを装備しています。
Microsoft Teams Roomsの公式認定を受けた専用端末であり、小規模から大規模な会議室まで、高品質で安定した会議環境を提供します。

MAXHUB「All in One Meeting Board」は、会議に必要な機能を文字通り1台に集約し、会議のDXをこれだけで完結できるオールインワン端末です。

これ1台あれば、「高品質なWEB会議」「会議の録画・録音」「電子ホワイトボードの活用」「ワイヤレスでの画面共有」がすべて実現できます。
会議のたびに機材を準備する手間や、議事録を作成する手間を劇的に削減します。

V7シリーズに搭載された5000万画素のAIカメラが話者を自動で追尾し、最大15m先の音声も集音可能なAIマイクが周囲の雑音をカット。
PCやスマホ、タブレットの画面を簡単操作で同時に投影でき、ボードに書き込んだ内容はそのままデータとして保存・共有が可能です。

実際の導入事例（ラオックスホールディングス様）では、会議の準備時間が従来の1/10以下に短縮されたという実績もあります。
また、BYOD（Bring Your Own Device）機能により、付属のワイヤレスドングルを接続した自分のPCから
「All in One Meeting Board」の高機能なカメラやマイクを使ってWEB会議に参加することも可能です。

会議の非効率さを根本から解決し、組織全体の生産性を飛躍的に高めるDXツールとなるでしょう。

MAXHUB「All in One LED V3シリーズ」は、音響やワイヤレス投影機能も一つになった、現代のビジネスシーンに応えるオールインワン設計の大型LEDディスプレイです。

設置については専門業者による施工が必要となるため、他製品と比較して特別に簡単というわけではありません。
ただし、パネルの脱着が容易である点は利点として挙げられます。なお、壁面への設置工事が必要となります。
一方で、すべての装置が前面に配置されている設計により、修理やメンテナンスには迅速に対応することが可能です。

新たにラインナップされたCOBタイプは、衝撃や汚れに強く、表面がフラットでホコリが付きにくいため、人の往来が多い場所での使用にも最適です。
最大120Wの高出力スピーカーを内蔵し、別途音響設備がなくても迫力のある音声再生が可能。
付属のワイヤレスドングルを使えば、複雑な配線なしでワンクリックでPC画面をすぐに投影できます。

もちろん、手持ちのPCをワイヤレスドングルを使って接続するだけでディスプレイ側のカメラやマイクをWEB会議で使えるBYOD機能にも対応。
高画質・高音質と導入の手軽さを両立させたい企業に最適です。

最後に、DX補助金の活用を検討する際、多くの経営者様や担当者様から寄せられる共通の疑問にお答えします。

原則として、同一の補助金類型では複数申請はできませんが、異なる補助金制度であれば同時申請は可能です。

ただし、補助金ごとに対象範囲や申請条件が異なるため、重複申請の可否はそれぞれの公募要領で確認する必要があります。
特に国のDX補助金制度では、類似事業に補助を受けていると審査で減点対象となることがあるため注意が必要です。

申請前には、各制度の重複申請に関する規定を必ず確認してください。

補助金は金融機関の融資とは異なり、原則として返済は不要です。
ただし、事業計画の目標が未達成だった場合や、不正な申請が発覚した場合は、返還義務が発生することがあります。

特に多くのDX補助金では、付加価値額の増加率や従業員の賃金引上げなど、達成すべき数値目標が設定されています。
これを満たせない場合に返還要求が課されるケースがあるため、補助金は「もらいっぱなし」ではなく、計画の達成責任が伴うことを理解しておきましょう。

申請しても必ず採択されるわけではありません。「助成金」と違い、「補助金」は予算枠が決められており、その枠内で申請内容が厳しく審査されます。

事業計画の具体性・実現可能性、将来的な経済効果、申請者である事業者の経営状況などが総合的に評価されます。
内容が不十分であったり、要件を満たしていなかったりすれば不採択となる恐れも。

採択率を高めるためには、綿密な事業計画の準備と、必要に応じた専門家の助言が推奨されます。

2025年最新のDX補助金・助成金は、人手不足や生産性の低さといった中小企業の経営課題を解決するための、強力な推進力となります。
本記事で紹介した「ものづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」、そして会議のDXを実現する各種ツールを参考に、
まずは自社の課題解決に直結する制度はどれかを見極めることが第一歩です。

DX推進は、もはや待ったなしの経営課題です。申請のポイントを押さえ、専門家の力も借りながら、補助金を活用してDXを実現していきましょう。