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2024年09月30日
日本では、自治体や生活インフラなどの公共分野から、医療・教育・福祉といったあらゆる分野で、デジタルを活用した業務変革=DXが進められています。
コロナ禍以降、デジタル化の遅れが顕著に現れた日本では、DX推進の潮流は一気に加速化しました。
自治体は、地域住民と国・都道府県を連携する役割を担っているため、住民の生活の質(QOL)や
行政サービスの向上を目的とした、デジタル化による業務変革が行われています。
とくに、災害の多い日本では「防災DX官民共創協議会」が発足されたことを契機に、自治体の防災DXへの対応が急務となっています。
本記事では、自治体における防災DXへの対応について、導入事例とともに解説しています。
まずは何からはじめるか、各自治体の取り組みを参考にご覧ください。
防災DXとは、国や自治体が住民の命・生活を守るために、アナログな災害対策からデジタル技術を活用した、迅速な災害対策へと変えていく取り組みのことです。
災害が多い日本では、過去のデータや知見から、いつ起こるかわからない災害に備えた対策をしています。
防災DXに取り組むことで、大規模災害を想定した迅速な情報収集や伝達、避難場所の確保、復興支援などが可能になります。
自治体が防災DXに取り組むメリットは、迅速な情報収集と伝達が可能になることです。
混乱した状況の中で、いかに正しい情報を収集して届けられるかは、防災の重要なポイントになります。
自治体ができるデジタル技術を活用した防災DXへの具体的な取り組み例は次の通りです。
・防災アプリを使った災害情報の提供
・マイナンバーカードを使った行政手続きのオンライン化
・オンラインツールを活用した迅速な情報収集や伝達
防災アプリでは水害リスクマップや避難シュミレーションの提供、災害情報が発令されたときには、
最新の情報が表示されてすぐに避難情報や気象情報が確認できます。
マイナンバーカードを使用して行政の手続きをオンラインで完結できるようにすることで、
災害時に必要な証明書の発行などの手続きを簡略化することが可能です。
オンラインツールを活用した紙を使わない情報収集や伝達は、迅速なやりとりが可能になるので、
臨機応変な対応が必要な災害時には非常に有効な対策となります。
このように、自治体の防災DXへの取り組みは、災害時の対応をスムーズにするためには必要不可欠です。
ところが、多くの自治体では防災DXへの取り組みを進めるうえで、いくつかの課題があります。
日本の自治体において、防災DXが進みにくい背景には、次のような課題があります。
・デジタル人材の確保と育成
・DXの重要性への理解度
・セキュリティへの不安
高齢化が進む日本ではデジタル化に対応できる人材の不足が言われており、IT人材の確保と育成が必要です。
職員の中には、DXに対しての理解が追いついていない人も多く、デジタル技術を活用するメリットへの理解を広めることも重要でしょう。
また、政府が掲げる「誰一人取り残されないデジタル社会の実現」を目指して、地域住民がデジタルを受け入れ利用できるということも課題となっています。
さらにDXが進みにくい背景には、セキュリティへの不安も少なくありません。
住民の個人情報を扱う自治体では、情報を安全に管理できる十分なセキュリティ対策が求められます。
総務省のガイドラインを確認しつつ、最新のセキュリティ対策を取り入れることが大切です。
コロナ禍以降オンラインでの会議がより活発化し、インタラクティブホワイトボード(電子黒板)を導入する自治体が増えています。
インタラクティブホワイトボードとは、ディスプレイとホワイトボードが一体化した、タッチパネルディスプレイのことです。
WEB会議の効率化や研修など、活用方法は様々ですが、防災DXへの活用も進んでいます。
2024年1月17日時点で、250件以上*の自治体より弊社のインタラクティブホワイトボード
MAXHUB「All in One Meeting Board」(以下、ミーティングボードという)を導入いただいています。
*自治体の各部署も含めたカウント
災害時の対策では、停電が起きることを想定したアナログな対策と、通電時に効率のいいデジタルな対策の両方が必要とされます。
インタラクティブホワイトボード(電子黒板)は通電時の情報収集や伝達を、より効率よく行うのに最適です。
ミーティングボードは、会議を効率的に行うハードウェアとソフトウェアが全て搭載されたインタラクティブホワイトボードです。
直感的に操作ができるシンプルなデザインでありながら多機能で、あらゆる業種やシーンで活用できます。
DXを進めたいけれど、何から始めればいいのかわからない・・・といった悩みを解決できます。
主な特徴や機能としては、
・電源を入れてワンタッチでミーティングボードを使用した会議を開始
・遠隔地とホワイトボード機能やプレゼン機能を共有したWEB会議
・ワイヤレスドングルで投影したデータをミーティングボードとPCどちらからも操作可能
・高性能なカメラ、マイク、スピーカーによるスムーズなコミュニケーション
・最大9つのデバイス画面をモニターに同時投影
・ミーティングボードでの編集内容を本体や各デバイスに保存できる機能
2024年1月1日に起きた石川県の能登半島地震では、デジタル化されていない自治体の災害対策への賛否がSNSで巻き起こりました。
停電しているエリアではアナログなツールが活躍しますが、通電しているエリアでは情報の迅速な集約が、被害の大きなエリアを救うことに繋がります。
臨機応変な対応が求められる災害時には、デジタルとアナログの使い分けが重要です。
自治体の防災DXを進めるうえで、災害発生時の情報収集や、情報を整理する際のハードウェアとしてミーティングボードが活用されています。
ミーティングボードの活用例は以下の通りです。
・遠隔地との情報共有
災害現場から画像でそのまま災害対策本部への情報集約が可能。
ホワイトボード機能でエリアごとにページを分割してまとめられる。TeamsやZoom接続も可能。
・過去の経験やノウハウをデータ化保存
電子黒板は過去の災害対策のノウハウをデータ化して保存し振り返りをしやすくします。
大阪市港区役所では、ミーティングボードを導入し、業務の効率化に成功しています。
大阪市港区は、海が近く川に囲まれている立地です。
そのため、水害への防災意識は高く、地元の地域活動協議会を中心とする地域活動も活発に行われています。
これまでの大阪市港区役所では、災害時の情報収集を模造紙に書き出して行なうこととなっており、
あまりにもアナログすぎる災害対策に課題を感じていました。
課題を解決できる糸口を模索し、実際に展示会などでいろいろな製品を比較し検討した結果、ミーティングボードの導入を決めました。
決め手となったのは以下の点です。
・災害対策本部内での情報共有の迅速さ
・費用対効果が抜群
・シンプルな操作性
ミーティングボードには、望んでいた機能がすべて備わっていると確信しています。
大阪市港区役所では、ミーティングボードの導入によりアナログベースの災害対策から効率的な情報集約ができるデジタル化へと移行しています。
また、遠隔地との情報共有がスムーズに行えるようになりました。
・現場からの画像での共有
・エリアごとにページを分けてまとめる
・TeamsやZoomでのミーティング
・データ化して保存
ミーティングボードの導入で、これらのことが電源ひとつで可能になり、PCがなくても機能を使うことができます。
災害が起きるたび蓄積されるノウハウを、簡単にデータ化して残せるので、後から見返しやすく次の対策に活かせます。
大阪市の中で港区役所が最初にミーティングボードの導入をしています。導入後の課題としては、
自治体のネットワークやセキュリティに組み込むという点において、大阪市と協議中の部分があります。
そこを話し合ってクリアできれば、活用の幅はどんどん広がり自治体のDX化は進んでいきます。それが私としては非常に楽しみです。
北見市は北海道の東に位置するオホーツク圏最大の都市です。
北見市では、本庁舎と総合支所の距離が1時間近く離れている地域もあり、移動しての会議では時間やコストがかかるため、
コミュニケーションのあり方に問題を抱えていました。
このような状況の中、移動を伴わないWEB会議のニーズがコロナ禍の影響により飛躍的に高まって、
会議やコミュニケーションのあり方を見直す機会となりました。
さらに、防災危機管理課の災害対策においても、効率的な情報集約・整理の方法を模索しているところでした。
課題を感じつつも、方針検討や幹部説明をするには、各方面からの情報確認や説明が望ましく、なかなか実現できずにいました。
・準備に時間がかからずワンタッチ
・双方向コントロール機能で表示画面を簡単操作
ミーティングボードを使用したミーティングでは、パソコンやマイク、カメラなどの周辺機器の準備が必要ありません。
電源を入れるだけで立ち上がるので簡単にすぐミーティングが開始できます。
ワイヤレスドングルを使用すれば、ワンタッチでパソコン画面をミーティングボードに投影できます。
双方向コントロール機能では、ミーティングボードとパソコンどちらでも画面操作が可能になり、スムーズに会議が進行します。
北見市役所では、会議室にミーティングボードを3台導入しました。
Wi-Fi環境の整備も同時に行ったことで、外部とのWEB会議も手軽に開始できるようになっています。
さらに嬉しいことに、さまざまなセミナーや研修のオンライン参加を希望する部署が増えました。
大画面でのWEB会議やセミナーは主催者側としても進行しやすく、手軽な操作で不自由なく使用できています。
防災危機管理課でも、ミーティングボードの使用により効率化しています。
複数アプリやデバイスの同時投影機能を使って、一度に多くの情報を確認し整理しやすくなりました。
災害時には膨大な事務作業が発生するので、スムーズな画面切り替えや効率的に情報を視覚化できることは大きなメリットとなっています。
埼玉県北本市は、令和3年度において「北本市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進方針」を策定。
デジタルワークスタイルの実現を達成目標として掲げています。
北本市役所では、新庁舎建設にともない、各会議室にモニターを設置するという構想がありました。
ところが、プロジェクターとPCを繋いで投影するには、さまざまな人的コストと時間がかかるため、それを解消するためのツールを必要としていました。
そして今回、新型コロナウイルスの流行によるWEB会議をはじめとした自治体DXの需要が高まったことを機に、ミーティングボード導入に至りました。
ミーティングボードは、電源を入れてすぐにWEB会議が開始できます。
ドングルを使用すると無線で好きな場所からの操作もできて、非常に使いやすく便利です。
さらには、画面で直接操作ができるので、PCの設置場所や話者の席の位置に制約がありません。
ミーティングボードを使用した会議では、高画質な広角WEBカメラやマイクの集音性が高いことも会議をスムーズに進行させてくれるポイントとなっています。
北本市役所では、会議室でのミーティングボードの導入だけではなく、今後は災害時の防災DXとしての活躍も期待しています。
・ミーティングボードの複数画面共有機能
災害時には、「くらし安全課」「建設課」「都市計画政策課」「環境課」などのいろいろな課とグループがそれぞれの役割に沿って対応をします。
これまでは、集まってきた情報を模造紙にまとめていましたが、人を介しての連絡は時間のロスが多くなりがちです。
そのうえ、事務作業に人手が必要となり、現場対応する職員の数も少なくなってしまいます。
このような、時間や人手のロスをなくすために、ミーティングボードの複数画面共有機能を使用して、
各課・グループのPCを映し出し、進捗情報を書き出して画面共有するシステムを構想中です。
これまでは、デジタル化・ICT化といえば小難しいものという印象が拭えず、自分ごととして捉えられるような環境や知見がない状況でした。
WEB会議での電子ホワイトボードの無線画面共有などのさまざまな機能は、とてもユーザビリティに優れ、考え抜かれた設計となっていると実感しています。
ミーティングボードの導入により、会議のペーパーレス化やWEB会議の活用促進を実現することができました。
サポートについても構築時には熱心に対応していただき、北本市の情報セキュリティポリシーに合致する形の運用を行えるようになりました。
今回ミーティングボードの導入をきっかけに、自治体職員からは避けられがちな「デジタルワークスタイル」を、
気軽に楽しみながら学び、業務に取り入れる足がかりとなっています。